勉強時間は「学年+何時間」という言い方をよく耳にしますよね。
平均点の沼から出るには、時計の使い方を考え直してみよう。
勉強時間は結果であって目標ではない
「時計を使いこなす」ことに着目しよう
自宅での勉強時間は「学年+1時間」を目指しましょうとはよく聞きますが、こなせているでしょうか?
時間を目標にすると必ず失敗します。もし、「学年+1時間」確かに勉強しているのに成績が伸びていないとしたら・・・
効果的な時計の使い方を実践すれば必ず成績は伸びます。
時間を測って問題を解く癖をつける
時間があれば誰でも解ける
これは、平均点から脱することのできなかった我が子の話なのですが、ちゃんと理解できているのにテストでは計算ミスや書き間違いだらけで点数が伸びないということがありました。自宅で解く問題が簡単でテスト問題が難しかったから?いえ、そうではありません。その答えは自宅での時間の使い方にありました。家で問題を解く時に、本番さながらに時間を計って解いていなかったのです。解けるまで(書けるまで)時間をかけるスタイルだから時間の限られているテストでは時間が足らずミスしていたのです。
時間をどれだけかけてもいいのなら、多くの子の点数が伸びるでしょうが、テストではそうはいきません。自宅で問題を解く時はタイマーを利用して問題を解く練習をしてみてください。我が子はこれで着実にテストでの計算ミスが減りましたし計算スピードも上がりました。早く解き終わって見直しをする時間を作れるように、普段から練習してみてください。
集中力の持続時間が伸びる
これも我が子の話なのですが、点数が全く伸びなかった頃、模試を受けるときまって順番が最後の方の教科ほど信じられないミスを連発していることがわかりました。本人聞くに聞くと「最後の方は疲れてしまって、全然集中できなかった」ということ。
テストで集中できないなんて!と初めのうちは叱っていたのですが、実はその頃の彼女の集中はもって30分でした。一方、三つ下の妹の方は小学生とは思えないほどの集中力の持ち主で、確実に1時間以上集中して勉強することができました。さて、両者の違いは?
初めのうちは私も「持って生まれたもの」だから仕方ないのかと半分諦めかけていたのですが、今はそれだけではないと言い切れます。なぜなら30分しか持たなかった彼女の集中が今では1時間以上持つようになったからです。時間を計って問題を解く癖をつけると緊張感をもって解くことができ、結果的に集中力アップにつながるのです。集中力持続時間が伸びれば、必然的に勉強時間が伸び成績アップにつながります。
本気で成績をあげたいなら「学年+1時間」は正しい
勉強量を増やす必要は絶対ある(近道はない)
本気で成績をトップレベルまで上げたいのであれば、勉強量が必要なことは言うまでもありません。ただし、この場合の勉強量とは、机に座ってやみくもに勉強するということではなく、正しい勉強を正しいやり方でこなすということを指します。さて、正しい勉強とは?
成績が伸び悩む人にありがちなのは、苦手分野の把握と克服が中途半端であることです。できるところを意気揚々と勉強していても成績が伸びるはずがありません。足を引っ張っている科目・分野こそ謙虚に向き合わうことが成績アップにつながるのです。
しかし、もしすでにこのような勉強をしているのに伸びないとしたら、それは「完璧にできる」を目指せていないからです。「だいたいできる」で満足していませんか?トップレベルの子たちはとても謙虚です。常に上をめざしているため「完璧」になるまで勉強しているだけなのです。完璧にできるまで苦手分野の把握と克服をしようと思ったら、勉強量は増やそうと思わなくても自然と増えてくるものです。
勉強は量も質もどちらも大事
「どれだけ勉強したのか?」という勉強量を測る指標は主観だけでなく、客観的な視点が必要です。誰が見ても確かに勉強したと判断できる材料のことです。ノートや鉛筆、問題集など勉強道具の消耗量・消耗具合は客観的に見ても勉強したか否かがわかる材料です。使ったノートの冊数はわかりやすい例でしょう。この話をすると以下のような意見もあるでしょうか。
・自分は、目で見て覚えられるし、頭の中で暗記を繰り返したり暗記シートを使うやり方だからいちいちノートに書かないし、目で見える形では残っていない
・要点だけ記憶すればいいし、いちいち書く時間がもったいない
・だいたいテストで出るところはわかるから、そこだけいっきに覚えればいい
これは失敗を続けてきたころの私の勉強法です。
この方法のデメリットは、有名なエビングハウスの忘却曲線の通り、復習を全くしないため思い出すのに時間がかかる、それどころか思い出せずじまいで終わりやすいということです。運よく試験では覚えていたとしても、受験に役に立つとは言いにくいでしょう。
つまり、使いたい記憶や知識は何度も使うことで定着するため、勉強において繰り返しは必須ということです。間違えた問題、なんとなく正解だった問題を完璧になるまで解きこなそうと思ったら、使うノートの冊数が多くなるのは当たり前です。「自分の苦手な部分を把握し、徹底的にそれを潰す」、それこそが質も量も伴う勉強の第一歩となるのです。
「何時まで勉強しよう」の目標は今すぐやめよう
勉強を終える時間を決めると、そこに勉強とは関係のない時間が含まれていることに気づかない
勉強しよう!と机に座ったらまず時計を見て今の時間を確認、そこから何時間後だから何時まで頑張ろう
そんなスタイルをとっているとしたらすぐにやめましょう。これ、学校の時間割に似ていませんか?1時間目国語8:45~9時半、2時間数学9:40~10:25のように、決められた時間に決められた勉強をするのは家庭学習では正しい勉強とは言えません。この時間の使い方では、途中でボーっと考え事をしたり勉強とは無関係のことをする時間に気づかないからです。学校の授業中、集中できず気づけば授業が終わっていた経験は誰しもあるはずです。
勉強は気づいたら時間が経っているものです。その日に勉強したいことをこなし終えた時が勉強を終える時間なのです。机に座ったら、今日勉強したい内容をまずは決め、それをこなすことだけに集中してください。学校で習ったことや塾で習ったことの復習をして宿題をするだけでも時間はあっという間なはずですよ。
勉強時間はぶっ通しである必要はない。 すき間時間も勉強時間になる
成績の伸び悩む子にありがちなのが、まとまった勉強時間にこだわることのように思います。 何時から何時まで机の前で勉強スタイルをとっていただけで勉強したと錯覚するのは危険です。 人間の集中力は長くはもちません。 もちろんトレーニングによって集中が保てる時間は伸ばせますが、まとまった勉強時間にこだわってはいけません。 お風呂はとてもいいすき間時間です。 10分湯船に浸かるとしても、一週間では1時間以上になりますし、御飯待つ時間などほんの数分に気づくことが成績アップへつながるように思います。
我が家の子供たちは、湯船に浸かりながら単語帳をめくったり、印刷したものをジップロックにいれてお風呂に持ち込んだりしています。 子供と一緒にお風呂に入っているなら苦手な分野の把握もできるのでお風呂でのすき間時間勉強はとてもおすすめです。
まとめ
時間にとらわれすぎないでください。勉強時間は目指すものではありません。
以前、我が子が成績のいい子に対して「あの子、休みの日に10時間勉強してるんだって!本当かな?できるわけないよね?」と言っていたことがありました。ひがみと自己嫌悪の両方だったのかと思うのですが、成績が伸びた今、この同じ話をしてみたときに、「今はわかる。本当にしてたんだと思う」に考えが変わりました。
成績を伸ばすには近道がないことや、本当に目指す学校や未来に向かっているならば努力は自然とできるもので、勉強時間はついてくるものだと気付いたからだと思います。誰もが陥りやすい「勉強時間」の間違えた認識、改めて振り返ってみてください。
歩己猫(ほこ猫)
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